電源・充電器 ユーザーのための電源の基礎知識

人間の食べるご飯と同じように、電気で動く機器内には、必ず電源部が入っています。

機器内に組み込まれており、あまり表面から見えないため、注目されていませんが、電気機器の

安定動作及び信頼性は、電源の品質に大きく左右されます。図1 は交流で動作する機器の一例です、

図2 は直流で動作する機器の一例です。

言い換えれば、電源がなければ電気機器は動きません。

電源とは?

電力変換の形態

電力変換とは、電力の形態を変更することです。図3 のように、

①交流(AC)から直流(DC)に変換したり(整流:Rectify)、

②直流から直流に変換したり、③直流から交流に変換したり(インバーター:Inverter)、

④交流から交流に変換したり、使いたい電気エネルギーに変換します。

電源の原理

一般的な電源の基本原理は図4 のように、交流を入力して、整流ブリッジで交流を整流され、電解コンデンサに電気を蓄えて平滑化されます。PFC 回路で力率を改善して電圧を一定に保ちます。高周波トランスを介してエネルギーを一次側から二次側に伝達します。二次側のDCDC 回路で必要な電圧や電流に変換してから負荷に電力を供給します。現在の電源は技術の進化により小型化・軽量化・高効率化ができるため、ほとんどは半導体を使ったスイッチングレギュレータ式を採用していますが、過去または用途によっては、シリーズレギュレータ式やシャントレギュレータ式もあります。詳細は専門書に委ねますが、それぞれの原理や長所、短所のみ、表1にまとめます。

電源の回路構成

電源の回路構成は大きく分けて非絶縁方式と絶縁方式があります。下記は各種回路方式の構成を説明します。回路記号の意味は、入力電圧V c c 、負荷RL 、パワー半導体TR 、ダイオードD、チョークコイルL、コンデンサCを表しています。

電源の回路構成

電源の安全性

入力保護

電源の故障や誤使用の際に図13 のように保護用入力ヒューズを入れて、過大電流により切断されます。また、電源スイッチを入れると、整流ブリッジ後段の電解コンデンサへ数サイクルの大きなチャージ電流が流れます。配電盤や機器ブレーカー等を落とさないために、突入電流防止のリレー回路を入れます。この突入電流防止回路により、流れる電流を一定時間、ある値以下にするように設計されます。これ以外に、仕様条件等によって、サーキットブレーカーや温度ヒューズなどの保護素子を入れることもあります。

出力保護

電源の故障や誤使用の際に図14 のように過電流保護(OCP:Over Current Protection)、過電圧保護(OVP:Over Voltage Protection)、出力ヒューズ等を組み込まれています。万一の故障から、電源自身や接続負荷を保護します。また、出力短絡保護は過電流保護によって保護されるか、仕様条件によっては別回路を設ける場合もあります。

過熱保護

電源の温度異常を保護するため、電源内部に温度上昇が発生しそうな箇所に感温素子を入れます。感温素子は図15 のようなサーミスタ、サーモスタット、フェライトのキューリー温度を利用した物、多くの種類があります。設定以上の温度になると、信号を出力し、過熱保護(OTP:Over Thermal Protection)して出力を遮断します。

逆流保護

電源/充電器の負荷が電池を接続する場合は、誤って極性を逆に接続したときにエネルギーを逆流することがあります。逆接続を保護するためにダイオード等を入れます。

安全規格

製品安全及び円滑な国際貿易を実現するため、図17 のように世界各国が独自に作成していた安全規格は、ISO(国際標準化機構)/ IEC(国際電気標準会議)規格への整合を全世界で進行しています。

安全規格を策定する際の基準となるガイドラインであるISO / IEC ガイド51 に基づいて、国際安全規格は図18のようにA 規格、B 規格、C 規格の三階層に体系化されています。電源が使われる機器は、感電、火傷、火災などによる危害を防止する目的で、製品のカテゴリーごとに規格が決められています。基準の内容は絶縁、構造、接地、材料、温度、表示、異常試験などがあります。

EMC指令

ヨーロッパ圏内に販売する機械や電気製品に対して、CE マーキングが義務づけられています。この規制内容はEC 指令としていくつか出されており、機械指令、EMC 指令、低電圧指令、RoHS 指令などがあります。電源機器の内部は多くのパワー半導体を使用して、高速スイッチング(kHz:1秒間1000回~ MHz:1秒間に100万回)を行うため、EMC 指令の規制をクリアするのに最も難しい部分です。ここでEMC 指令についての概要を紹介します。図19 はEMC 関係の規格分類を示します。

電源の選び方

電源/充電器を選択する際に、まずは使用用途を明確する必要があります。負荷の必要電力や特性など多種多様であり、エネルギー供給源の電源機器にも色々な特性があります。電源機器の選択を間違えると、想定した動作が得られなかったり、装置の異常動作を起こったりします。また、電池の充電用途として、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の様々な二次電池があります。特にリチウムイオン電池は三元系、リン酸鉄系など、材料の種類によっては充電電圧や充電電流も異なります。充電器の選択が間違えると、過充電など非常に危険です。

電源の使用用途は図21 のように大別して、筐体付きの据え置き型、装置内部のプリント基板上に実装するオンボード型、ノイズフィルタ・突入電流防止・整流・平滑回路をAC 共通ユニットにして、それぞれ負荷用のDCDC 電源を搭載するモジュール型があります。

入力条件

負荷条件

使用環境

電源プラグの種類

電源の使い方と注意事項

電池接続

電池はエネルギーが蓄えられています、専用充電器以外の電源を安易に接続すると逆流して電源が破損する場合があります。電源が破損すると内部回路は短絡状態になり、電池を短絡させることもありますので注意が必要です。また、電池の材料特性により充電電圧や充電電流が異なります、専用充電器以外の電源を使用すると破裂、発熱、発火の恐れがあります。なお、電池の充電器は表5の保護機能が必須です。

ブレーカー容量

複数の電源を使用する際に入力投入時は、それぞれ電源の突入電流の総和が一挙に流れます。大きな突入電流でブレーカーや、入力ヒューズ、サーキットブレーカーが遮断しないように注意が必要です。

世界電圧

日本の商用電圧は100V を使っています。図24 のように世界で様々な電圧が使われていますので、電源機器の使用場所によっては商用電圧の注意が必要です。

配線材料

電源の入力配線や出力配線は必ず指定されたケーブルを使用してください。規定以上の電流で使用すると、発熱が大きくなり危険です。配線による電圧降下を小さくするため、余裕を持った太い電線を使用されます。

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